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トランプ関税:ドルと債権への影響

🌍「ドル離れ」「アメリカ債権離れ」が起きている理由

最近ひそかに話題になっている「米ドル・債権離れ」について、できるだけわかりやすく解説します。経済が苦手な方でも、読み終わる頃には「あ〜なるほど!」と思えるはずです👍


💸「基軸通貨ドル」の終わり?

かつて、ドルは「世界で一番信用されている通貨」でした。
事実、世界中の中央銀行が保有する外貨準備(リザーブカレンシー)のうち、
約72%がドルだった時代もあります。

今はどうでしょう?

  • 最新のデータでは、ドルのシェアは58%まで低下
  • 「ユーロ」もシェアを減らしており、世界全体で特定の通貨に偏らない動きが強まっています

つまり、「ドルもユーロも頼りきりにはできないよね」という空気感が広がっているのです。


📉「株が下がればドルが買われる」はもう古い?

通常、世界の株価が不安定な時は、投資家たちは「安全資産」としてアメリカのドルや国債(=トレジャリー)にお金を移します。

そうすると:

  • アメリカ国債が買われる
  • 国債の価格が上がる
  • その結果、利回り(Yield)は下がる
     (=「安定した利益が得られるから利率は低くてOK」という考え方)

ところが最近はどうかというと…

  • 国債の利回りは逆に上がっていて、
  • しかも、ドルの価値も下がっている

これは異常です。
いつものパターンと違う動きに、投資家たちは「ん?」と感じています。


🇺🇸なぜドルや国債が買われていないのか?

🔹誰がドルやアメリカ国債を買っているのか?

  • 他国の政府や中央銀行(例:日本銀行、中国人民銀行)
  • 年金機構や保険会社などの機関投資家
  • ヘッジファンドや個人投資家も一部買います

これらの人たちは「ドルは安全」「アメリカ国債は信用できる」と思っているからこそ買ってきました。

でも最近は、「その信用が落ちているのでは?」という声が増えています。


💣その理由は?背景にある3つの問題

① アメリカ政府の「借金体質」

  • 政府の支出が増えすぎている(軍事、福祉、補助金など)
  • それをまかなうために、大量の国債を発行

→ 「借金体質」が続くと、米ドルや国債の信頼が揺らぎ、投資家はリスクを避けるようになる
→ 結果として、米ドルやアメリカ国債の価値が下がり、買われなくなる可能性がある

② インフレと金利上昇

  • 国債を発行することによって通貨供給が増え、物価が上昇
  • サプライチェーンの混乱(コロナや戦争)
  • 賃金の上昇
  • エネルギー価格の上昇

つまり「通貨供給が増えた」だけではなく、複数の要因でインフレが加速しているというわけです。インフレが高まると、金利が上昇します。これにより、国債の価値は下がり、利回りは魅力がなくなり、投資家が他の資産に移行します。

③ トランプ政権時代の「関税政策」

実はドル離れの“火種”となったのが、トランプ大統領が導入した関税とも言われています。

  • 輸入品に高い関税をかける
     → 製品の価格がアメリカ国内で高くなり、外国がアメリカにモノを売りづらくなる
     → 中国などの輸出国は、アメリカ向けの輸出量を減らすことに
     → 輸出が減ると「ドルを稼ぐ」機会が減り、外国にドルが入ってこなくなる

その結果、外国が持っていたアメリカ国債を売却して米ドルに現金化して使い始める動きにつながったのです。ちなみに、アメリカ国債の30%を他国が所有しているので、売却が起きやすいです。日本国債の他国所有率は5%、つまり95%以上を時刻で持っているので安心です。

つまり、「関税政策」がドル離れとアメリカ国債離れを加速させた一因と言えます。


🏦なぜ外国はアメリカ国債を持ってるの?

外国の中央銀行や政府は、アメリカと貿易をするために大量のドルを受け取ります。

そのドルをそのまま現金で持っていると損なので、代わりに

「アメリカ国債(トレジャリー)」にして持っておこう!

という流れが生まれます。なぜなら:

  • 国債は利息がもらえる
  • 安全性が高い(とされてきた)
  • いつでも売買できる

でも最近は、「もう国債もあまり安全じゃないかも…」という不安が出てきて、売却が爆増中です🔥。


⚠️なぜ関税で「ドルがいらなくなる」のか?

アメリカが他国に対して課す関税は、輸入品に対して一律で10%が課せられ、中国に対しては145%以上という高い関税がかかっています。

関税がかかると、アメリカへの輸入品の価格が上昇します。これにより、外国の企業や政府はアメリカからの輸入を減らし、次第にドルを使わずに取引を行う動きが出てきます。

具体的には:

  1. 輸入コストが上がるため、外国はアメリカの商品を買い控える
  2. ドルがあまり必要なくなる → 輸入を減らし、取引に使うドルの量も減少。
  3. その結果、外国の企業や政府は保有しているドルやアメリカ国債(トレジャリー)を売却し、他の通貨や資産に移す動きが強まる。

これがドル離れの一因になり、国債が売られることで金利が上昇します。


🪙ではどうする?投資家の逃げ道「金・銀・ETF」

不安定なドルや債券から逃げて、投資家が向かっているのが「金」や「銀」。

🟡金(ゴールド)

  • 歴史的に価値が安定
  • インフレに強い
  • 中央銀行も買ってる

→ ETFで買うなら:GLD(SPDR Gold Shares)

⚪銀(シルバー)

  • 工業用途でも使われる=需要が高い
  • 金より価格が安く、値動きも大きめ

→ ETFで買うなら:

  • SLV(iShares Silver Trust)
  • SIL(Global X Silver Miners ETF)(採掘会社に連動)

📝まとめ:ドルの時代が少しずつ変わろうとしている?

  • 世界は「ドル一強」から少しずつ変化中
  • アメリカの借金・関税・インフレがその背景に
  • 国債やドルから「金や銀」へのシフトも進行中

「ドル=安全」という常識が、揺らぎ始めている今。
これからのニュースの見方も、少し変わるかもしれません。

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