中古住宅販売(Existing Home Sales)

前月比で0.5%減少し、年率換算で400万戸と、過去7か月で最低水準。市場予想(410万戸)を下回り、住宅ローン金利の高さが引き続き購入意欲を抑えています。
地域別の販売動向
- 北東部:-2.0%
- 西部:-3.9%
- 中西部:+2.1%
- 南部:変化なし
西部と北東部で特に低迷が目立ちました。これらの地域は家の価格が高く、金利の影響を受けやすいことが背景にある場合が多いです。
在庫は増加、交渉のチャンス?

販売可能な住宅在庫(Total Housing Inventory)は145万戸に増加。前月比で9%増加していて、去年の5,6,7月よりは低いものの、過去5年間で最高レベル付近。
NAR(全米不動産業者協会)のチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏によると「住宅販売はここ3年間、コロナ前の通常の75%程度の水準にとどまっており、潜在的な需要は高いが、ローン金利の高さで購入に踏み切れない層が多い」とのこと。
在庫が増えているので、買い手が価格交渉しやすくなっている可能性あり。在庫が少ないと、取り合いになって、人気の地域だと提示価格より絶対高くなっちゃうもんね。
価格の動きと今後の展開

- 中古住宅の中央値価格:41万4000ドル(前年比+1.8%)
- 一戸建て住宅の平均価格:前月より約1万ドル上昇
在庫は多いけど、価格は上昇していて、しかも金利も下がってないというのがつらすぎる。
新築住宅着工件数と許可件数の変化
新築住宅着工(Housing Starts)

- 4月:前月比+1.6%増の136.1万戸
- 複数戸建て(集合住宅など):+11.1%
- 一戸建て:-2.1%(主力市場でやや低迷)
今度が増えてってる状況かと思います。
建築許可件数(Building Permits)

- 前月比-4.7%、141.2万戸と11か月ぶりの低水準
- 材料費の高騰や関税の影響も指摘されており、先行きにやや不安も
今後の注目点:住宅ローン金利次第?
「金利が下がれば、一気に需要が表面化する可能性がある」とユン氏は述べています。
実際、住宅購入契約の先行指標である「ペンディング住宅販売(Pending Home Sales)」は3月に前月比で+6.1%増と大きく伸びていて、金利がわずかに下がったタイミングで買い手が一気に動いたことを示しています。
まとめ
- 中古住宅販売は依然として低調だが、在庫は増加傾向
- 高金利が最大のネックだが、雇用は堅調で潜在需要は高い
- 金利の変動が「住宅市場のトリガー」になる可能性大
- 今は「やや売り手優位だが、交渉の余地あり」という微妙な市場バランス