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米新規失業保険申請件数

経済仕様はマンスリーで発表されるものが多く、計測上1ヶ月前の情報しか出てこないものもあります。業保険申請件数は、週次で発表されるので、景気の変化をいち早く見つけることができる指標として重宝します。先行指標なんて言われてますね。

直近の1週間(月曜〜土曜分)の情報が木曜日に出るので、5日間は遅れてますが、かなり直近の情報と言えます。

新規失業保険申請件数は、新たに失業保険を申請した人の数件数で、件数が増えると「失業が増えてる→景気が悪化しているかも」とマーケットが警戒するシグナルになります。

この件数で、景気の先行き判断して、リセッション懸念を予想したり、FRBの値上げや値下げの判断材料になると考えられています。

件数の目安ざっくりと市場の受け止め方
20万件以下🔵 とても良好(雇用が強い)
20~25万件台🟢 健全なレベル(正常な範囲)
25~30万件台🟠 注意が必要(少し悪化の兆し)
30万件以上🔴 警戒レベル(景気減速の可能性)

例えば、

コロナショック直後(2020年春)は一時600万件超えでした(史上最悪)
2023~2025年頃の安定期は、20万〜22万件台で推移中です(かなり良好)

最新の情報は、4月28日から5月3日までの情報です。

前の週から1万3,000件減ってます。前週は過去2ヶ月で最高値だったので、そこからは大分下がりました。

継続失業保険受給者数

継続受給数は、新規受給数に比べて1週間古いデータなんですよね。これは、申請してから保険を受け取り続けている人数の追跡を集計するのに時間がかかるからだそうです。失業状態の継続とか、給付条件の確認等があるからですね。でも発表日は同じです。

この数は前回より2万9千人減り、失業状況が改善していて経済が回復しているように見えます。前回は、イースターなどの休みがあって、特にNYでの失業数が多かったこと、関税の不確実性とか、再雇用の難易度やコストを考えて企業が解雇を控えたと言われてますね。

件数の目安ざっくりと市場の受け止め方
160万~180万件以下🟢 健全なレベル(雇用市場が安定している)
180万~200万件台🟠 注意が必要(やや悪化の兆し)
200万~230万件台🟡 やや警戒(景気の減速感あり)
230万件以上🔴 警戒レベル(経済不況の兆し)

例えば、

2008年~2009年(リーマンショック後)600万人を超え、高い水準が続きました
2020年5月はパンデミックの影響で2300万人に達しました。

現在は歴史的に見てもかなり低水準雇用は比較的安定していることがわかります。

最後に、新規失業保険申請件数の4週間移動平均を確認します。

4週間移動平均は、直近4週間の新規失業保険申請件数を平均化して、週ごとの変動や異常値を平滑化して安定したトレンドを把握するための指標です。急激な増減に振り回されることなく、長期的な傾向を確認できます。

今回の増加は、比較的小さな変動なので短期的には雇用市場に大きな影響がないことを示唆していると思います。2週連続で増えているので、この傾向が続けば、失業保険申請件数の増加が経済の冷え込みを示す可能性もありますが、増え方が少なくなっているので、単純に全然週からの急激な伸びがグラフに残っているという程度と予想できます。

ということで、季節的なものも含めて若干増えてきた失業保険申請数は、徐々に回復傾向にあるので、経済は安定と行ったところで、現時点では失業が利上げや利下げの理由になることはなさそうです。ただし、良いニュースがあるということは、市場が求めている利下げの方向には行かないということで、投資家にとって喜ばれるニュースではなさそうです。