アメリカの住宅ローン金利が上昇中、その背景と米市場への影響を解説します。
✅ 30年固定金利ローンの平均金利: 住宅ローン金利が3カ月ぶりの高水準に

3州連続で上昇!
- 通常ローン:6.92%(前週は6.86%)
- ジャンボローン(金額が80万ドル超):6.94%(前週は6.85%)
- FHAローン(連邦住宅局の保証つきローン):6.60%(前週は6.59%)
📈 金利上昇の背景:インフレ懸念と財政赤字
今回の金利上昇の大きな原因は、アメリカ国債の利回り(=金利)が上昇していることにあります。
投資家たちは現在、以下の2つに警戒しています:
- インフレの再加速懸念(ウォルマートの決算での商品の価格上昇発言)
- 財政赤字と国の借金(連邦債務)の増加
投資家が「将来のドルの価値が下がるかも」と考え国債を売却し始めるため、国債利回りが上昇、それに連動して住宅ローン金利も上昇。
■ MBA住宅ローン申請指数(全体のローン需要)

MBA住宅ローン申請指数(Mortgage Market Index):
住宅ローンの全体的な申請数を示す指数は、251.20 → 238.50ポイントへ減少。
🔢 過去平均:475ポイント
📉 過去最低:64ポイント(1990年)
📈 過去最高:1856ポイント(2003年)
🔍 歴史的に見ると依然として低水準。
▶ 新規住宅ローン申請(Purchase Index)

- 前週:166.50ポイント
- 今週:157.80ポイント(約5%減)
がくんと落ちました。ちょっとニュースの印象が悪いですね。
▶ 借り換えローン(Refinance Index)

- 前週:718.10ポイント
- 今週:682.50ポイント(こちらも減少)
これも当然の動き。
📉 米国株・米国債への影響
■ 株式市場への影響
金利が上がると住宅・不動産関連株や建設業界が打撃を受けるので、KBホームやホームデポなんかも打撃を受ける可能性があります。あとは、インフレ懸念が強まるとFRB(米連邦準備制度)は利下げに慎重になるので、株価がの下がりやすくなりますね。
■ 債券市場への影響
今回のローン金利上昇は、アメリカ国債の売りが引き金です。
- 政府の借金が増える → 将来の信用不安 → 債券売り
- 債券価格が下がる → 利回りが上がる
- 住宅ローン金利など長期金利に波及
関税、政府の財政問題から色々と繋がってきてます。ただ、トランプの一言などのニュースで展開も変わりやすいので、そこまで重症とはなっていないように思います。