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RIZIN男祭り直前!朝倉未来vs鈴木千裕──主役のストーリー

メインイじゃない主役

1週間後に迫ったRIZIN男祭り。
メインイベントじゃないのに主役な朝倉未来の思考を中心に、対戦のストーリー、そして勝敗予想をゆるっと書いてみたい。自分の格闘技経験は学校の体育の授業だけなので、格闘技ファン目線だけど、格闘技とそれ関連の動画をずっと見てきた視点で分析を書きたいと思う。


鈴木千裕を選んだ「男気」と「リスク」

朝倉未来は、一般層や、俗に言う「にわか」層が一番盛り上がるのは鈴木千裕なのが分かっていたので、批判・デメリット覚悟で鈴木千裕を選んだと思う。興行収益のことを考えたら鈴木千裕を選ぶのは正解だろう。

まぁ現実には、鈴木は直前に激闘したばかりで、手負いの状態。コアな格闘技ファンや朝倉未来アンチから「ずるい」「卑怯だ」「鈴木が壊れる」と批判されるのも当然。

未来が勝ったとしても「そりゃ怪我明けの鈴木相手なら勝つでしょ」「もし鈴木千裕が万全の状態なら一ラウンドでKOされていたでしょ」って言われてしまう。

更に、手負いとは言え鈴木千裕はパンチを撃ち抜く力が半端ないので、鈴木のパンチをもらってKOされる可能性もあって…、激戦1ヶ月後の選手に負けたともなれば──これはもう致命的。

未来は、格下扱いしてきた萩原京平と同じ4連敗になって、もう萩原京平をイジることもできなくなる。そこまで行ったら、正直もう引退の話も現実味を帯びてくる。つまり、勝っても負けても美味しくない未来が見えること。

だから、興行の事を考えたこの選択は、もっと称賛されるべき

男祭りの出場を宣言したなか、他に本当に相手が居ない形だったというのはあるが、未来にとってメリットが少ない試合なのに、あえて鈴木を選んだ。これって、めちゃくちゃ運営者目線だし、男気がある行動だと思う。


鈴木しかいなかった理由

ではもし、第2候補だった萩原京平を選んでいたらどうか。。萩原との再戦って選択肢のほうが濃厚だった気がするし、人気者同士でそれなりに売れる興行になってた気もする。ただ朝倉未来の復帰戦、としては「弱い者同士の試合」みたいな空気になっただろうし、一回勝ってる相手との試合は未来にとってメリットはない。なんだかんだでミクルが選手選択の主導権握ってるだろうしね。で、金原や青木との試合もありえたけど、あんまり派手さがないし…。
そう考えると、いろいろな意味で鈴木千裕しかいなかったんだな、と今は思う。


朝倉未来の純粋さと戦略性

うがった見方として、興行のことを考えての男気、を称賛されることまで計算してたら、朝倉未来は戦略家で頭キレすぎですごいんだけど…。

未来には、頭脳明晰で戦略化の中、時折「純粋な子供っぽさ」が見え隠れする。
そこが彼の魅力でもあり、同時にファンが離れない理由でもある。

カッコつけたがり屋で腹黒い計算と、どこか不器用なまっすぐさ。
この両方を持っているからこそ、未来はスターになったんだと思う。

なので、単純に「盛り上がる方を選んだ」っていう男気ということにしたい。


華のある日本人ファイター4人

ということで、日本人フェザー級で華のある選手、未来、鈴木、萩原、平本の4人がなんとなくクローズアップされる形になった。

理想の流れとしては、未来が鈴木に勝って、平本蓮vs萩原京平2がどこかで実現、平本が勝って、そして朝倉未来vs平本連2が組まれる…っていうストーリー。それが大晦日なら興行としてはベスト。
ただし、平本の肩の状態がネック。もし11月くらいに無理やり試合を組んだら…って感じだけど、そこはバラさんが強引に持っていきそうな気もするけど。そして朝倉未来がまた試合をして1,2ヶ月後の選手と対戦するという…。

じゃあ、大晦日にお互いが熱望している未来とクレベルの再戦はどうなる?って話はあるけど、個人的にはあんまり盛り上がる未来が見えない。5月4日の試合を見てみないとわからないけど、ミクルとクレベルは実力的にもポジション的にも差があるし、今回のタイトルマッチでクレベルがシェイドラエフに負ける可能性のほうが高いと思っている。だから、平本との話がこけたら、消去法で負けたクレベル戦になるのかも…くらいの感じだけど、そうなるとなんのために?になってしまう。

こうして華がある4人をみると、やはり青木や金原じゃあだめだったって思ってしまう。ふたりとも歳だしね。それと、西谷が萩原に勝っちゃったらそもそもこの運命はなかったことになる、でもこの筋書きのないドラマ感がぞくぞくする。


鈴木千裕サイドの背景

鈴木千裕サイドの思考もさらっと触れておきたい。
彼は子供の頃から苦労してきたタイプのようで、ハングリー精神がすごい。
東京ドームで未来とやる試合ってだけで、ファイトマネーが普段の3〜4倍って話も出てる。チャンスだよね、普通に。バラさんからの圧もすごかったと思うけど、本人もチャンスをつかみにいったんだろうなと想像する。
怪我の回復もあるから即決ではなかったかもだけど、そこそこ即決に近かったんじゃないかな。減量幅もそんなにないって言われてるし。


試合展開の予想──それでもメンタル次第

未来は多分、ちゃんと強い。
本人も「自分は強い」と思ってなきゃ、こんな試合受けない。でも、問題はメンタル。と言うか、まだ未来のメンタル次第って言われ続けてる事がすごい。もちろん鈴木千裕が試合後1ヶ月というハンデはあるけど、それでも未来のメンタルがいい状態でうまくやれば勝てるんじゃないかという幻想を抱かせてくれるところもすごい。

「今回は喧嘩しますよ」といつも通りのコメントを言ってるようだけど、未来はもう打ち合いにはいかないと思う。ベテランになって、脳へのダメージも気にしてるだろうし、完全にグラップラー志向に変わってきてると思う。

グラウンドでのコントロールには自信持ってるっぽいし、柔術もそれなりに練習してきたはず。でも、タックルはまだあんまりうまくない気がする。頭から突っ込むタックルは相当やり込まないと怖いんじゃないかと思う。それに、タックルは失敗した時にわりとカッコ悪く見えるし、朝倉未来はそういうことしなそう。だからきっと彼は二ータップを狙うはず。
だけど、それも打撃をある程度やらないと成立しない。だから序盤は立ち技も少しやるはず。

で、いざ試合が始まったら──
怖気づいたり、試合中に真っ白になることがまた起きそう。それで体が動かなくなって、未来が鈴木の爆発力に押されて、1ラウンドでフラフラになる予感。
そこでKO負けする可能性も高い。
でも、1ラウンドはレフリーも止めず、なんとか耐えしのいで、2ラウンド目もラッシュを受けて、結局TKO負け。そんなイメージ。

一応、判定まで持ち込んで未来が勝つパターンの可能性もあるけど、それも薄いと思ってる。ましてや極めて勝つことは、正直想像できない。彼の動きを見ていると、運動神経はいいんだろうけど、不器用さもあるし、あまり極めきるタイプじゃないような気がする。
もし判定までもつれたら、またいろんな議論が巻き起こるんだろうな…。

これだけ知名度がある人が挑戦し続けるのはかっこいい。本当に彼は勝てると思っているからリングに立つと思う。


やっぱり主役

未来も千裕も、ファンもアンチも含めて、周りからいろんなことを言われてるけど、それを全部ひっくるめて「受けたからにはやる」「勝てると思うから受けた」って言葉で一網打尽にしている二人は、やはりスター性があって東京ドームという大舞台向け。

カリスマとヒーローの戦いは、試合を受けた時点ではヒーロー鈴木千裕が主役を奪ったように見えたけど、その後の色々な批判や現実が彼らを上にも下にも叩きつけ、時間が経つにつれて、未来の哀愁がじわじわ浮かび上がってきた。やっぱりこの試合、朝倉未来が主役なんじゃないか。そんな気がしてならない。

──試合まであと少し。
いろんな思いはあるけど、今はただ、楽しみで仕方がない。

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