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MMA体重超過問題

減量失敗の爆弾。

5月4日、男祭り。全18試合、もしかしたら滑り込みで20試合、総勢40人のファイターが名を連ねる。PPVは6500円。チケットも安くない。
ファンは時間もお金も気持ちも賭けてる。そんな中で一番の恐怖は体重超過。40人もいるから、誰かがやらかしそうで…。

最近は「全員がちゃんと体重作れた」っていうだけでニュースになる。え、そんなレベル?って話だけど、それだけちゃんと計量をクリアすることは尊い。

とはいえ、タイトル戦や人気選手の試合で体重超過が出ると、ほんとに萎える。
勝っても負けても後味が悪くて、素直に感情を乗せきれない。高めのPPV払ったり、もっと高い現地観戦に行って、そのために時間も開けて楽しみにしてるのに、体重超過で勝敗そのものが「うーん…」ってなるのがほんともったいない。


体重作れないことは悪か

毎回きっちり落としてくる選手がいる中で、体重オーバーする選手がいるのはやっぱり何か準備が甘かったのか?とも思う。
でも、正直言って人間の身体なので、コンディションもメンタルも含めてどうしても、ってことが起きている気がするし、それが怠慢だったのか、いつも通りにやっても何かが起きて落ちなくなっちゃったのか、そこは本人じゃないとわからない。ましては減量やったことない自分から見ると謎でしかない。

周りのプレッシャーとか、責任感から追い込みすぎて倒れるケースもあるし、最悪命に関わる場合だってある。

だから、責める気持ちも正直あるけど、運営が「仕組みで防ぐ」ことが必要かと思う。


勝手に考えた「体重超過ルールの見直し案」

まず「これ以上体重差があったら試合NG」ってラインは、階級ごとに設定すべき。
同じ100gオーバーでも、57kgのフライ級と120kgのヘビー級だと影響が違うはず。

ということで、階級別の「体重差の上限」を契約体重の5%で勝手に設定してみた:

階級体重上限
フライ級57 kg2.85 kg
バンタム級61 kg3.05 kg
フェザー級66 kg3.30 kg
ライト級71 kg3.55 kg
ヘビー級120 kg6.00 kg


「罰則」も明確化すべし

次に、体重オーバーのペナルティ。細かく設定しておくと、選手も覚悟が違ってくる。ファイトマネーからの差し引きと減点。

それがこの表

体重オーバー減点ファイトマネー
500 gなしファイトマネーが高い選手側の25%分が差し引かれ、対戦相手に支払われる。
501 g ~ 1.00 kg-20ファイトマネーが高い選手側の25%分が差し引かれ、対戦相手に支払われる。
1.01 kg ~ 2.00 kg-30ファイトマネーが高い選手側の25%分が差し引かれ、対戦相手に支払われる。
2.01 kg ~ 3.00 kg-40ファイトマネーが高い選手側の50%分が差し引かれ、対戦相手に支払われる。
3.01 kg ~ 6.00 kg-50ファイトマネーが高い選手側の50%分が差し引かれ、対戦相手に支払われる。

オーバーが1.01 kgを超えた場合、相手側は試合キャンセルの権利を持つ。また、対戦相手が試合をしたくても、上限を超えてが成立しなかった場合、体重超過した選手は次回は50g超過のラインから罰則をスタート。
更にリザーバー(代替選手)も準備して、ある程度のギャラは支払えると、体重を作ってきた対戦相手にとっても、見る側にとっても、最悪試合数は減らないから残念感が多少は和らぐ。


実際にあった「残念な事例」

とまぁ、これは格闘技好きで格闘技はほぼやってことがなく、ましてや減量なんて無縁のおっさんの戯言ではあるが、楽しみにしていた試合がキャンセルになったり、減点がエグすぎて勝敗が素直に受け止められないことが過去に何度とあったからね。

  • 北海道大会:クレベル vs 鈴木千裕ー最高の舞台が、一気に白けた
    2023年、北海道大会。クレベル・コイケと鈴木千裕の一戦。連勝街道まっしぐらだった鈴木にとって、「この試合が真の勝負だ」と思わせるタイミングだった。
    ファンの多くが、鈴木の進化をこの試合で見たがっていたはず。でも、前日計量でクレベルがまさかの400gオーバー。RIZINルールでは-50点の減点スタートでしかも「王座剥奪」された上での試合となり、なんとクレベルが圧勝。もやもやしたなかで、鈴木に作成や気持ちに乱れがあったのかもしれない。
    「王座剥奪」されたクレベルと、絶対有利な状況でまけた鈴木千裕、勝者と敗者、両方に深く傷を残す試合だった。クレベルはその後、金原に敗れ、タイトル戦線から後退。脂が乗っていたベストタイミングを逃した形になった。しかも、チャンピオンだったら次線で組まれる可能性が高かったもう一人の実力者、ヴガール・ケラモフとの頂上決戦が流れてしまったのは、ほんとに悔しい。あのカード、あの時に見たかったなー。
    一方の鈴木も、たとえ相手が減点されたとはいえ、堂々と負け、連勝中の勢いを止められたうえに、精神的にかなり落ち込み、一時は格闘技から離れてしまっていた。
    体重超過ひとつで、こんなに台無しになるとは。まさに「罪深い400g」だった。
     
  • 朝倉海 vs アーチュレッター夢のカードがぐちゃぐちゃに
    そしてもうひとつの試合。朝倉海 vs フアン・アーチュレッタ。
    こちらも最高のシチュエーションだった。アーチュレッタはキム・スーチョル、井上直樹といった実力者を倒し、勢いMAX。朝倉海とのタイトルマッチは、バンタム級戦線にとって「待ちに待った一戦」。しかし、この試合、とんでもない形で壊された。
    まずは朝倉海が拳の怪我で一度延期。その後の再調整を経て、やっとタイトルマッチ……というところで、前日の計量でアーチュレッタがまさかの2.8kgオーバー。当然-50点スタートになったが、更に試合当日の戻し体重を試合1時間前に計量して68kg以下の指定となった。アーチュレッタはもともと体がでかいから、戻し体重はもっともっとあるところ、4キロに限定されることで、試合直前まで減量をしていたようなもので、まともなコンディションではなかった可能性は高い。
    試合は朝倉海が文句のつけようがない内容で完勝。でも、アーチュレッタが体がでかいから海はすごかったっていう意見と、試合直前まで減量してアーチュレッタは万全で無い上に、減点50点スタートなのでフィニッシュを狙いすぎてカウンターを食らったっていうファン同士の言い合いも起きて、後味が非常に悪かった。
    自分が作った“減点+リザーバー制”がこの試合に適用されてたら、減点はま逃れないながらも、アーチュレッタも少なくとも体調は万全で出てこれたかもしれないし、そもそも試合が回避されていたかもしれない。どっちに転んでも、こんな後味の悪さはなかった。
    海が試合を受けたのは、立派だと思う。前回、怪我で試合を飛ばしたことに対する責任感もあったんだろう。でも、その“覚悟”の上に成り立ったカードだっただけに、本来のアーチュレッタと海がガチでぶつかった姿を見たかったっていう想いは、いまだに拭えない。

ストレスを減らして大好きな格闘技を楽しむためにも

俺の作った表は完璧とは程遠いと思うけど、プロの目線でもう少しルールが明確になれば、RIZINはもっとエキサイティングになる。

「えー体重オーバー😭いつもの残念な減点ルールか。。。」じゃなくて、ファンからも選手からもわかりやすい規定になっていたら、それなりに理解は示せるし、勝敗にケチがつき難い。選手の健康面もある程度は担保できるんじゃないかな。

俺みたいな「やったことないけど格闘技大好き」なオッサンが言うのもアレだけど…
本当に観たいのは、“言い訳のない最高の一戦”なんだけどね。

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